Jリーグの楽しみ方〜私を変えたワンゴール〜

注意

この記事は某高校の「総合的な探究」課題に提出される為に産み落とされたものです。決して他の方の楽しみ方を否定するような意図はなく、山本はとの場合を記したぐにゃぁ〜〜〜


めんどくせ。


そう、白紙を前に私はそんなことを思っていた。
その紙には「総合的な探究」なる文字列が——。


分かるだろうか、このめんどくささが。


そうかそうか。




分からないよなぁ…………(遠い目)



いやね。私は多分色んなことを考えていて「総合的な探究」に相応しい文章になるであろう材料はたくさん持っているはずなんだ。


だから書く内容に困ったりはしないよ。でもねぇ…………。




私の有り余る脳内(税込314円)はA4(サイズ知らないけど)程度の紙に収まるものではないしそもそんな量(本文3273字の予定)手書きで書きたくはないんだ!!!!




ってことでブログで記事にしてるけど……まあなんとかなるって。



本文

【Jリーグの楽しみ方〜私を変えたワンゴール〜】




私はちょっと前まで『応援もサッカーの楽しみ方の一つ』だと言われることが気に食わなかった。
何故なら、私にとって応援とは「生き甲斐」であり「本気でやるもの」だったからだ。
そう、例えば同じサッカーで言うなら、〈プロを目指すことも“楽しみ方”の一つなのだろうか〉、という感覚だったわけだ。



プロを目指すというのは上位0.幾%を目指すということだ。
まあつまり少なくとも日本中の同学年の中で“唯一”になるくらいじゃないとプロにはなれないということで、結局のところ“唯一”になるには1万時間ぽっちではまるで辿り着かないのだ。
それだけの時間を費やして苦痛やなんかを耐え抜いて、学び続けた末にプロという舞台が待っているのであって、私にはその過程がとても楽しいようには感じなかった。
つまり「本気でやることは楽しい」が疑問だったのだ。



私は弱い人間だった。
勿論、応援していてチームが勝ったら嬉しいし、負けたら悲しい。でもそれは“サッカーを観る”とは別の方向性の面白さだった。
本気で勝ちたいと、勝って欲しいと思うから何物にも代え難い喜びと感動が応援にはあった。
そしてその為に闘っている自分や、時に歯を磨り切らしてしまいそうになる程の悔しさも伴う応援という行為を、楽しいなんていう軽い言葉で表されることが、気に食わなかったのである。
そう、私はそんなちっぽけなことも受け入れられず、努力の続かない弱い人間だった……



しかし!私はそんな弱い人間“だった”!!



そんな私を変えたのは紛れもなく2021シーズン……コロナ2年目でヴァンフォーレ甲府がJ2リーグ3位となった年だった。
その年より晴れてシーズンシート会員にも入り毎試合ホームゴール裏の割とかなり真ん中(L30番台)の席で応援することとなった。
普段ならば立ち応援の激戦区である故に目の前のゴールネットにちょっと感動したりもした。



シーズンは1位と2位の愛の逃避行が続きヴァンフォーレ甲府はそれを第二群でもみくちゃになりながら追うシーズンとなった。特に、勝ち続けることが求められた。
しかしひと月の勝ち点平均が2(ひと月5試合として3勝1敗1分)を超えれば優勝レベルと言われるサッカーのリーグで勝ち続けるとは如何に難しいことか。
シーズン終盤になり特にそれを実感した試合が第37節ホーム・ファジアーノ岡山戦だった。
そしてこの試合こそが私のプライドを変えた一番の切っ掛けだろう。



直前の試合で引き分けこそしたもののそれまで4連勝と、直近5試合で勝ち点13を稼いでいたヴァンフォーレ甲府のホーム戦。
しかし上位2チームの独走が激しく、ひとつの敗北がJ1昇格に致命的となる状況で当然私を含め勝利を期待するサポーター達がJITリサイクルインクスタジアムに集った。
そして試合開始の笛が鳴り、スタジアムは今正にその後の90分を征圧せんとする熱い手拍子に包まれる。



ところで、地方クラブの試合に於いて応援の表面化……今の時期だと大体手拍子になるが、その量とは如何にバックスタンドとメインスタンドの人達が参加するかに依存する。そしてそれは特に試合開始直後とセットプレー時、得点直後に増加する(筆者の体感と偏見)。
それは少なくとも観客の期待の表れであり、そういうタイミングで失点するということがどういうことかは大凡想像がつくのではないだろうか。

そう!それは試合開始9分のことだった!!



ヴァンフォーレ甲府側から見て左サイドでの守備、止まったボールをほぼノーステップで上げたクロスからミッチェル・デューク選手のあまりにも美しすぎるヘディングでヴァンフォーレ甲府は試合開始直後に失点を許してしまう。
そして現地では私の周りにいた誰かが「はやいよ……」と零す。
しかしこんな試合は前にもあったぞ、そうホームの試合としては前回の試合に当たるV・ファーレン長崎戦だ。
あの試合も開始3分に素晴らしい技ありなゴールで失点して面食らったがその後の前半10分には追いついたし最終的には逆転して勝利を収めている。大丈夫だ、まだ慌てる程じゃない。



そしてこの試合もまた、1分半後の前半11分に再び動く……最悪の形として。



ただの失点ならばまだ良かった。いや、ただの失点でも似たような空気にはなっただろうがここまでなんとも言えぬ気持ちにはならなかったはずだ。
ことのあらましを説明すると、“ヴァンフォーレ甲府の攻撃中にあったバックパスからトラップを掻っ攫われてそのまま決められた”と言うのが大体適切だろう。
トラップを取られたのはCBの選手なのだが、今にして思えば個人のミスというよりかはチームとしてのポジショニングミスのようにも見えるが当然現場でそこまで把握しながら応援してる人は多くなく……
その選手のミスとして扱われ(当然自分の目にもその選手のミスのように映った)JITリサイクルインクスタジアムは止ん事無き空気となる。



J1昇格という目標に対して突き付けられた反り立つ壁。
最早そこにあった絶望は2点差などというものを凌駕していた。
壁は反るあまりに私たちを包み込み暗い暗い自己嫌悪に陥らせた。
眼前の勝利がかなり遠のいたのは勿論、こんなことでJ1に上がれるのかなど暗い考えと絶望が身体中を駆け抜けて行った。
そして私は思った。



そうだ、応援しよう!!



と。
そも私は何の為にここに来たのか。
それは勿論、



勝つ為である!!!!



映画館気分で「今日も勝って欲しいねー☆」とか祈りハラハラしながらサッカーを観る為でもなければ相手をボッコボコにする試合を夢見ながら気持ち良くなる為でも無い。
とにかく勝つ為に、 とにかく勝つ為に!!私はスタジアムに来ている!!!!



これを改めて認識した後の私は強かった。
まず鎮まり返ったスタジアムに励ましの拍手を鳴らした。
そして「勝つぞ」と呟き放ち、ピッチを見据える。
私が鳴らし始めた拍手はスタジアム全体に広がり多少の錆び付きはあったものの再び応援するぞという雰囲気にもなった。
その後はただひたすら手を叩いた。
チャレンジには拍手。ミスにも拍手。スーパープレイにも拍手と迷いなく手を叩き続けた。



中々岡山の陣形を崩せない中、後半10分。
長谷川元希選手が前を向いてスムーズなドリブルで中央のスペースを駆け上がると、戻ろうとする相手DFを追い抜いて出てきたのは宮崎純真選手!

長谷川選手からそのままスルーパスを貰うとGKとの1対1を落ち着いて決める。





私は喜んだ。腹の底から歓んだ。
勝つ為に絶対に必要な1点目が決まった。
ずっと、ずっとずっと待ち望んでいたのだと思える程に長く感じていた55分間が全て詰まっているその1点は私に最上の昂りを齎した。
それは友達とボウリングやカラオケに行くような“楽しさ”とも、心揺さぶる名作小説或いは漫画を読んだ後のような“愉悦さ”とも違う、快楽と呼ぶにはあまりに重い心臓へのダイレクトアタックだった。



そして私はこれこそが選手と共に闘うということ、つまりクラブなのだと悟った。
同時に私は「応援」という行為が“楽しみ方”のひとつであるということに納得をした。
休みの日にスタジアムへ行き、最高なクラブと共に闘い、最高な歓びを手にする。
自分の“構え方”次第であり得ないほどの興奮が得られる。
それはもう間違いなく“娯楽”だった。



——試合はそのまま1-2で負けてしまった。
帰路、私はまた来ようと思った。
ここまで傾倒して応援するには特別な何かが必要だろう。
でも実はその何かは「地元のクラブ」程度のちっぽけなものから始まった自分が育ててきたもので、誰でも持てるし誰でも持ってる。



だって、Jリーグだから。



勝利は望んでも確実にやってくるものではないけど、望む価値は充分にあるだろう。
選手が、クラブがそれを心の底から望んでいるのなら私たちが離別することは決して無い。



余談

色々雑に書き殴っただけのもの。

この後のホーム2試合が盛り上がったのは言うまでもなく……(39節3-2松本山雅FC、42節3-3水戸ホーリーホック)

まあ水戸戦は勝ちたかった。勝って勝ち点を82にして踏み出したかった。



あぐにゃぁ〜〜〜!!!!









ぐすん。











まあぶっちゃけサッカーって薬物みたいな所あるなーって思っててさ。
例えば私は2017年のホーム・ガンバ大阪戦(ウィルソンが決めた試合。試合前に二重虹がかかってたような気がする)のジャイアントキリングに対する気持ちよさとか、最終節ベガルタ仙台戦(残留する為には勝利が絶対であり、尚且つ並行して行われた清水エスパルスの分けだか負けだかが必要だった試合。後半ロスタイムにリンスのゴール前3人抜きゴールで勝利)の感動と小瀬の嘶きとか覚えてるよ。泣いたし。
だからさ、きっと行ったら毎回いるあの文句ばかり言ってるおじさんも忘れられないんだろうね。




あとなんかいい話っぽくなってるけどこれ勝てるチームの戯言だから!!26試合勝ちなしとかのチームにも通用するとか思ってないから!!

まあそうなったらそうなったでまた何か見出せるんだろうね。
でももしそうなったら
塾サボってやる!!!!(今の所行ってないけど)





え?総合的な探究ってこんなんでいいの?って思ったそこのあなぁーた!



これは総合的な探究ですと言えば総合的な探究だから大丈夫!
喩え用紙にこの記事のURLだけポツンと書いてあっても学校側が用意した映画鑑賞会の感想書くだけで総合的な探究扱いになるようなトコだからね!! ね??(これを見ているであろう職員への圧)
(今度goggleドットコムのURLでも書いて提出しようかな)






総括すると、
一番最初に前を向くサポーターになると点取った時めっちゃ嬉しい!!


これが私の「Jリーグの楽しみ方」だあぁぁ〜〜〜!!!!









【各試合ハイライト】

2021年明治安田生命J2リーグ37節ファジアーノ岡山

2021.11.3 2021明治安田生命J2リーグ 第37節 vs.ファジアーノ岡山 - YouTube
氵(!)2失点目のリプレイの最後の方に拍手からプレー再開の笛が鳴る音までが確認できる。

2021年明治安田生命J2リーグ39節松本山雅FC戦

2021.11.14 2021明治安田生命J2リーグ 第39節 vs.松本山雅FC - YouTube
氵(!)1-1からはたった4分間の出来事。

2021年明治安田生命J2リーグ42節水戸ホーリーホック

2021.12.05 2021明治安田生命J2リーグ 第42節 vs.水戸ホーリーホック - YouTube
氵(!)引き分け以上でJ1昇格レベルの勝ち点であり目標であった勝ち点80となる試合。しかしひとつ前の試合で京都サンガの2位が決まっていた。

2017年明治安田生命J1リーグ20節ガンバ大阪

【ハイライト映像】2017明治安田生命J1リーグ第20節 8/5(土)vsG大阪戦 - YouTube
氵(!)ヴァンフォーレ甲府は11試合ぶりの勝利。ウィルソンも同じくらいの期間ゴールが無かった。